焼酎の極み。黒じょかで差しつ差されつ。 篤姫で火がついた薩摩。薩摩と言えば桜島と焼酎ですよね。 では、桜島と焼酎を足して割ったものは? 正解は黒じょかです。 黒じょかの横から見た形は、桜島に似せたという説もあります。 もう一つ。黒じょかの焼酎に足して割ったものは? 正解は水ですよね。 飲む前日、または2〜3日前に割水し寝かせてから燗すると美味しくなると聞きます。 慶長年間(西暦1600年頃)藩主島津義弘光によって 朝鮮から招き入れた陶工により始められた薩摩焼がルーツの黒じょか。 17歳まで薩摩に居た篤姫は、果たして黒じょかで呑んだんでしょうか? 焼酎の一番美味しい呑み方は、やはり気の合う人と楽しく飲み交わすのが 最高の味と時間を生み出します。 ここからは、焼酎の味わいの極みを体験できるお話です。 ● 優雅そして力強い。黒じょかの迫力と魅力をあなたに!
 芋焼酎の伝統的な酒器黒じょか。 鹿児島の焼酎通に愛用されている、 こだわりの酒器です。 現在その種類は多岐にわたり、 芸術性の高いものまで存在します。 なぜ黒じょかでいただく焼酎が長年愛され 続けているのか?それにも理由があります。 まずは全体をかたどる独特の平らな曲線。 鹿児島のシンボル桜島をかたどったと 言われる美しいフォルムです。 桜島を眺めながら呑む焼酎は、美味しく優雅で雄大な気持ちにさせてくれそうですよね。 酒器の色形も味のうち。黒じょかで差しつ差されつ呑む焼酎は、 きっと独特の味わいを醸し出します。
● 美しさの中にも、しっかりとした力強いつくり。
 
 職人の手で丁寧に仕上げられた黒じょかは 細部にいたるまで美しさを表現しています。
男性的な力強さを表現したものから、 女性的な繊細な色使いを表現したもの、 どれをとっても言えるのは、しっかりとした 「つくり」にこだわっていると言うこと。 末永く使っていただきたいと言う願い。 使い込むうちに生まれる艶。 黒じょかが永く愛されている証なんです。 また、黒じょかの魅力は、その優雅な形だけではありません。 美味しい熱燗を生む、耐熱性も酒器にとっては大切な要素。 色や形の魅力に加えて、丈夫な酒器であることが黒じょかの人気の理由です。
● 黒じょかという名の由来。 全部を漢字で書くと「黒直火」となります。 黒っぽい土瓶で直火にかけるから「黒直火」なんですが、 この黒じょかの由来は他にもいくつか存在します。 その一つなんですが、鹿児島では土瓶のことを「ちょか」と呼ぶそうです。 直に火にかけて使いますので、長年使い込むことで、 どんどん色が黒ずんでくる様子を含めて、この焼酎用の土瓶だけを 特に「黒直火」と呼ぶのではないかと思います。 黒い「ちょか」だから「黒ぢょか」と呼ぶとのことです。 また、「おちょこ」が「ちょか」になまったという説も。 この話題だけでも、黒じょかを眺めながら酒の肴になりそうですよね。 ● 味のある、長い付き合いが出来る酒器 黒じょかという酒器は使い込むほどに黒光りし、焼酎の味がまろやかにります。 焼酎を愛する人にとって、この上ない宝物になること間違いなしです。 【一番おいしい焼酎の楽しみ方】 まずは焼酎をお好きな割合で水割りにし、2〜3日寝かせておきます。 それを黒直火に入れて、弱火で人肌程度に温めます。 あとはおちょこに注いでチビチビとやってください。
水割りにする水と寝かせ方によって味が大きく変わり、 温かい「燗」にすることでその違いをさらに大きく感じられます。
私は以前、「薩摩白波」の仕込み水(マザーウォーター)で 割ったものを飲んだことがあるのですが、その旨さは格別でした。 |
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